研究の頁
分娩時胎兒の心音惡化並に胎糞漏出と仮死との関係について
三箇 歲子
1
1東北大学医学部附属助産婦学校
pp.24-29
発行日 1954年7月1日
Published Date 1954/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611200642
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分娩時胎兒娩出前兒の予後を知る指針として,十九世紀の始め頃から兒心音の惡化と胎糞漏出があげられている.分娩時胎兒の生命に危険をもたらす主な産科疾患は,胎盤早期剥離,前置胎盤,臍帶脱出,過強陣痛,臍帯纒絡,等であるが,前記の疾患は多くの場合夫々の臨床所見から略診断される.
他方我々は兒心音の惡化,全く聽取不能の場合や,胎糞漏出があるにも拘わらず,兒は娩出直後高声に啼叫し全く假死の認められない多くの症例を知つている.
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