講座
新しい気管カテーテル
塚本 胖
1
1愛育病院産婦人科
pp.19-20
発行日 1954年4月1日
Published Date 1954/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611200581
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分娩時に気管カテーテルで新生兒の気道(鼻腔,口腔,気管)内の羊水,粘液,血液等の異物を成るべく速かに吸出することは,介助者の大切な役目の一つで,胎兒娩出直後に(できれば第一呼吸をする前に)異物を吸出して気道から気管への吸入を防げば新生兒の呼吸を楽にするためにも,又,二次的の呼吸器感染を防ぐのにも大いに役立ちます.このためには,手速く,完全に異物を吸引することが必要で,気管カテーテルの使い具合が良くなくてはなりません.
皆さん方は日常使つておられて具合の惡いことはありませんか.今まで多く使われているのには,中島式,佐久間式,佃式,などがありますが,使い方にもよりましようが,時に多少の不便を感ずることがあるようです.例えば,「吸引しているときに吸引物が吸う人の口に入ることがあつて困る」とか,或いは吸引物が少し多いと,一回吸つたのを一度捨てて又吸い直さないとならないので,急いでいるときに手間がかかつて困る」とかいう事を時々耳にしますので,私自身も大分前からいろいろとやつてみましたが,何時でもというわけではないのですが,確かに不便に思う時もあるようです
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