講座
兒頭と骨盤との釣合い(2)
大島 正雄
1
1母性科学研究所
pp.20-23
発行日 1954年2月1日
Published Date 1954/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611200540
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外結合線の値からは狹骨盤と判断されるにもかゝわらず,案外無事に分娩の終了することもあれば「正常骨盤」でありながら骨盤入口を通過するどころか,児頭の固定さえ困難な場合もある.
故に問題は骨盤それ自身の性状ではなく,分娩3要素の1つである胎児の大きさ,特にその周囲の最も大きい見頭の大きさと併せ考えてはじめて臨床上の意味が生れてくる.骨盤が小さくても兒頭がさらに小さければ安産の可能性は大きく,これに反してたとえ骨盤が大きくても兒頭がさらにこれを上廻るなら難産となる.要するに最も大切なことは「兒頭と骨盤との釣合い」つまり「兒頭はその妊婦の,その骨盤を通過できるかどうか」であつて,骨盤それ自身の大小ではない.
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