講座
尿の話
高橋 善彌太
1
1東大沖中内科
pp.27-31
発行日 1954年2月1日
Published Date 1954/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611200543
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尿は腎臓で作られるものであることは御承知のとおりであつて,腎臓の皮質の部にある無数の糸球体から滲み出した原尿が,細尿管という細い管をぐるぐると廻つて腎孟に達するまでに完成するものである.
第1図の如く糸球体は毛細管が互にもつれあつて毛糸の球のようになつたもので直徑は,0.2mm位の小さいものである.毛細管中を流れる血液から血管の壁を通して,血液中の蛋白質と血球以外の成分が,例えば,糖,食塩などが滲み出してくる.即ちここに生じた原尿は血液をきわめて細かな炉過器で炉したものに近いのである.
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