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お産の習俗
K生
pp.57-58
発行日 1952年7月1日
Published Date 1952/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611200149
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妊娠,分娩,育兒などについて,各地方に伝えられ,今なお行われてる樣々の習俗を知ることは,いろいろな意味で興味ぶかいものである。その伝来の習俗の上に,新しい経験。新しい知識。新しい考え方などが加えられ,編みこまれて次々にまた新時代のお産の習俗がつくられて伝えられていくのだ。
旧い時代には,科学的に体系を整えた,産科学というような学問がなかつたから,旧くからそのままに伝わつた習俗には,迷信的なもの,宗教的なもの。それに体験によつて得られたものが織り混つていて,学術的な香りは殆ど認められないのである。これに反して,今日のお産の習俗は,科学的なものがその骨骼となつているから,地方に残つている旧い習俗とは,明かにちがつた点があるわけである。
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