研究・調査・報告
産育習俗としてのへその緒に関する意識調査
高橋 八重子
1
,
石村 朱美
1
,
多賀 和子
1
1医療法人薫風会佐野病院
pp.1038-1044
発行日 1989年12月25日
Published Date 1989/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611207749
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はじめに
1987年12月,兵庫県明石市で江戸時代の武家屋敷跡の発掘調査中,胎盤を入れる「胞衣壷」が出土した。実物が出土したのは珍しく,当時の習俗を知るうえで貴重であると新聞で報道された。ちょうど私たちも出産に関する習俗,特に「へその緒」について調査中であり,近隣の明石市でこのような習俗が確認されたことに興味をひかれた。
現在,施設での出産後のへその緒の処理については,家族に渡しているところと,渡していないところがあり,当院は前者である。ところが数年前,褥婦に渡すべきへその緒を,スタッフの不注意で紛失してしまうという事故が当院でおこり,このことを契機に,へその緒の意義について考えるべく,調査を始めた。
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