授業研究
「産育習俗」を母性看護学に導入して―学生の出身地の「産育習俗」を調査して
後藤 幸子
1
,
大川 洋子
1
1福井県立短期大学
pp.359-364
発行日 1990年6月25日
Published Date 1990/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663900060
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はじめに
産育習俗は,その時代や文化の影響を大きく受けながら変遷してきている.今や,周産期医療は著しく発展し,生殖革命の時代に入っている.さらには母子を取り巻く環境も大きく変化し,産育観が非常に多様化してきている.母性看護学の教育内容もその影響を受けつつ変容してきており,看護のあり様もどちらかと言えば科学万能の色彩が濃くなる感もする.
このような趨勢の中であるからこそ,今あらためて祖人から長く伝承されてきた産育習俗を知り,その源流を辿ってみることは,母性看護を学ぶ上でとても意義のあることだと考える.なぜならば,母性看護はそれぞれの時代によって変化し発達してきた歴史がある.妊娠・出産・育児に関する慣習の内容やその変容過程等を知ることが,現在の母性看護の在り方や,これからの母性看護を指向していく上での手がかりになると思うからである.
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