社會と助産婦
優生保護法の改正と受胎調節の新たな方向
谷口 彌三郞
1
1参議院
pp.28-31
発行日 1952年7月1日
Published Date 1952/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611200140
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終戰以来,わが国の人口現状は,その狭められた国土に8,400万人に達する人口を抱擁し,なお累年130万に及ぶ人口の自然増加がみられ,年々の新しい就業者は,90万に上ると算えられているが,わが国における社会不安の根源が今日の人口問題にあり,日本復興の根本は人口問題の解決にあるといわれている所以である。
これが政治的解決策としては,食糧の増産,資源の開発,生産工業の発展,貿易の振興,出来得れば海外移民の懇請など,各種の対策を講ずる必要があるが,年々100万を超える人口の自然増加を處理するためには,如何にしても産兒制限,特に受胎調節を行う以外に解決方法のないことは明らかな事実である。
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