講座
無痛分娩は我國で將來廣く用いられるか
安井 修平
1
1東京逓信病院産婦人科
pp.7-9
発行日 1952年5月1日
Published Date 1952/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611200096
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無痛分娩は歐米では既に百年餘も以前から行われて居り,その方法も漸次改良せられて居つて現在は米國では低位腰椎麻醉と陰部神經の局所浸潤麻醉が盛に應用せられ,北歐スエーデンでは亞酸化窒素の吸入麻醉が相當に應用されて居る。そしてこれ等の無痛法は分娩第二期に應用されて居り第一期の疼痛をも除去或は緩和せんとして色々と研究が進められて居る。欧米人は疼痛に對しての感覺が特に敏感であつて忍耐に缺けて居る。このことが無痛分娩法の發達した一原因である。
然し無痛分娩が全然無害と云うのでなく,又餘りに無痛分娩が行き過ぎて居る點もあるのでリードと云う人が無麻醉の自然分娩を提唱してこれに賛同する傾向も段々加わつて來て居る。吾々日本人から見れば寧ろ滑稽にさえ思われるのである。
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