今月の言葉
人間としての向上
pp.4
発行日 1952年4月1日
Published Date 1952/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611200076
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「あの人は腕はよいが,どうも人がらが氣にくわない」というような言葉を耳にする場合がある。また,これと反對には,「あの人は人がらはよいんだが,腕は駄目だ」ということが云われる場合もある。いずれも人間として完全ではない。
ある技術を特つて,その專門的な知識や技術が職業として成立する場合には,その職業にたずさわる者の當然の義務としてレベルに達した技術を持つていなければならない。それが腕である。專門職業には,それにふさわしい技倆が要求される。これは當り前のことである。下手な畫かきは一生買い手がつかず,誤診を重ね,直らない藥を盛る醫者は門前雀羅をはる。
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