Japanese
English
特集 転倒 どう防ぐ?
身体障害—病院での対策
Physical disability-fall prevention in hospitals
井上 靖悟
1
,
辻川 将弘
1
,
伊藤 真梨
1
Seigo Inoue
1
,
Masahiro Tsujikawa
1
,
Mari Ito
1
1東京湾岸リハビリテーション病院
1Tokyo Bay Rehabilitation Hospital
キーワード:
入院患者
,
インシデント
,
リスク評価
,
転倒
,
活動
Keyword:
入院患者
,
インシデント
,
リスク評価
,
転倒
,
活動
pp.373-381
発行日 2023年4月10日
Published Date 2023/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552202797
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はじめに
病院において転倒は最も一般的なインシデントである1).入院患者の転倒率は,急性期病院で1.7〜9.5/1,000人・日2),リハビリテーション病院では10.2〜13.8/1,000人・日3,4)と報告があり,地域在住高齢者の転倒率0.8〜0.9/1,000人・日5,6)と比較し圧倒的に高い.転倒による有害事象には,打撲や捻挫,裂傷など軽微なものから,頭部外傷や骨折,死亡など重度なものまであり7,8),入院中に転倒経験がある患者は入院期間が長く,入院費が増加すると報告されている9-12).また,転倒恐怖心により日常生活能力や活動性が低下することもあり13,14),転倒予防対策は病院における安全管理として重要である.
本稿では,病院における転倒の現状と予防対策について概説するとともに,東京湾岸リハビリテーション病院(以下,当院)の取り組みを一部紹介する.
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