Japanese
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研究と報告
スライディングボードへの荷重と前傾角度—形状による違い
Load and forward tilt angle on a sliding boards: differences by shape
片本 隆二
1
,
小宮 雅美
2
,
岩橋 謙次
2
,
有地 祐人
2
,
林 哲生
1
Ryuji Katamoto
1
,
Masami Komiya
2
,
Kenji Iwahashi
2
,
Yuto Ariji
2
,
Tetsuo Hayashi
1
1独立行政法人労働者健康安全機構総合せき損センター医用工学研究室
2独立行政法人労働者健康安全機構総合せき損センター中央リハビリテーション部
1Assistive Technology and Design Department, Japan Organization of Occupational Health and Safety, Spinal Injuries Center
2Department of Rehabilitation Medicine, Japan Organization of Occupational Health and Safety, Spinal Injuries Center
キーワード:
スライディングボード
,
移乗
,
前傾角度
Keyword:
スライディングボード
,
移乗
,
前傾角度
pp.319-326
発行日 2023年3月10日
Published Date 2023/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552202779
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要旨 [背景]移乗時のスライディングボードが前傾しにくい条件を知ることは,臨床応用するうえで有用である.そこで本研究では,ボードの形状,配置,荷重位置によってボードの前傾角度は異なるか,およびボード上の物体が滑り落ちる前傾角度の目安を評価した.[対象]T字型のスライディングボード「つばさ」Mサイズ,サイズと重量の近い長方形のボード各1種.[方法]福祉用具共通試験方法を参考に荷重を加え,前傾角度を計測した.日本工業規格の傾斜法を参考に摩擦角を求めた.[結果]より前傾しない荷重位置は車椅子の横方向の隙間の最短ルート上であり,より前傾しないボードの配置は自走式車椅子のタイヤに近い配置であった.ボード上をポリエステル生地で覆った物体が滑る前傾角度は9.5°以上であった.[結語]幅の広いボードで,見た目上はボードの中央を通過することが安心に思えたとしても,車椅子とベッドの隙間が大きく前方に空いていれば前傾し滑り落ちるリスクがあることが示唆された.
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