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2000年から保険医療制度上新設された回復期リハビリテーション病棟(CRW;convalescent rehabilitation ward)は,現在全国で約2000病院,総ベッド数8万床に及んでいる.急性期治療を終了した患者に対して,その後の機能回復とADLの自立,さらに自宅復帰,復職などを目標とした入院リハビリテーション医療を提供する重要な制度的枠組みである.CRWはわが国の医療上で不可欠なシステムとなっている.本書は,そのCRW医療を担うチームをなす,リハビリテーション科専門医,看護師,理学療法士,作業療法士,言語聴覚士,薬剤師,医療ソーシャルワーカーなどに向けて上梓された,総論と専門的各論を俯瞰したマニュアルである.
CRWの医療では,急性期治療を終えた時期といっても,亜急性期での転院となるケースもあり,さらに基礎疾患や併存疾患の診断と治療が多くの場合に必要とされる.そのために,各種検体検査と画像診断,超音波診断,嚥下障害に対するVE/VF検査などの検査は必須となることから,それらに対応できるハードの整備と医療が求められる.加えて,リハビリテーション医療で汎用されている各種評価法(疾患別重症度評価,運動機能や高次脳機能検査,ADL評価,栄養状態管理評価など)に習熟していること,またリハビリテーション訓練と治療の知識も必要となる.本書ではCRWの対象となる疾患と訓練の概要とともに,CRWの看護とケア,栄養管理,薬剤管理,合併症管理,退院後のリハビリテーション医療を継続させていく準備などについて網羅されている.さらに,多職種がそれぞれの専門性を存分に発揮できるよう,チーム医療としてのアプローチ方法についても言及されている.
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