連載 詩人の話・7
北原白秋の墨絵調
山田 岩三郎
pp.54-56
発行日 1962年10月15日
Published Date 1962/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661911753
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竹林の七賢
さても黄色い円月である。さても閑雅な竹林である。七人(ななセリ)の賢い人,風月の友,この幽人たちの面持,姿,その清らかさはかぎりもないが,あまり世の中からかけ離れた,それゆえの月の出か,明るい真近な光である。ああ,いま,せせらぐものに何かのたよりがきこえさうだ。さてもこの良夜に言葉を失くしたひとつひとつの霊である。近いやうでもまた遠い銀と紫の世の中である。
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