書評
亀ヶ谷真琴 編 西須 孝 編集協力「こどもの整形外科疾患の診かた—診断・治療から患者家族への説明まで 第2版」
服部 義
1
1あいち小児保健医療総合センター
pp.190
発行日 2020年2月10日
Published Date 2020/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552201885
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日本の少子高齢化が止まりません.厚生労働省の統計によれば2018年の出生数は91万8,397人,合計特殊出生率は1.42で出生数,出生率とも3年連続の減少となっています.こどもが少なくなれば,当然こどもの整形外科疾患患者も少なくなり,全国で小児整形外科疾患を診る機会がますます少なくなってきています.
そのような状況の中,日本小児整形外科学会が行った発育性股関節形成不全(DDH)全国多施設調査では,2年間の乳幼児未整復脱臼例1,295人中,199人(15%)が1歳以上の診断遅延例で,また3歳以上まで診断されなかったこどもたちが36人いて,調査するとそのほとんどが乳児健診を受けており,さらにその中には医療機関を受診していたにもかかわらず診断されていなかったこどもたちも多くいました.DDHのみならず,こどもの整形外科疾患の見逃しや誤診断は,こどもや家族に与える影響は大きく,時にはその後のこどもの人生に大きな負担をかけることにもなります.
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