--------------------
編集後記
川
pp.796
発行日 2015年8月10日
Published Date 2015/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552200343
- フリーアクセス
- 文献概要
- 1ページ目
わが家のお墓があるのは小さな漁師町.陸の孤島のようなところ(実際に昔は船でしか行けなかったとか……)です.その町並みは昔から全然変わっていません.海と山に挟まれた狭い斜面に集落がひしめき,人がすれ違うのがやっとの細い迷路のような路地.足元を横切る弁慶蟹をよけながら石畳の階段を登っていった頂上にお寺があり,そのさらに上に墓地が広がっています.長い階段をふーふー言いながらたどりついたお寺の境内から見る景色……集落の屋根屋根とその先の青い海……本当に絶景です.
懐かしい町並みを眺めながらふと思いました.足腰の弱ったお年寄りはどうしているのだろう…….この石畳と階段を車椅子が通るのはまず不可能でしょう.足の悪いお年寄りはお墓参りどころか家から出ることも難しいのが現実です.町のホームページによると,車椅子や担架の方を,3〜4人で抱えて,車までの移動をお手伝いする有償ボランティアを募集しているようでした.しかし,若い人が少ない過疎の町,十分な人数を集めるのはなかなか難しいのでは?という気がします.車椅子,介護ロボットのますますの進歩を切に願います.
Copyright © 2015, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.