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要旨 【目的】認知症患者の初回評価時に家族から病歴と現症を聴取する際の質問として繁用される4項目を4-Item Memory Questionnaire(4MQ)として点数化し,日常記憶障害の簡易評価尺度としての妥当性を検証する.【対象】新潟リハビリテーション病院神経内科もの忘れ外来を初診し,信頼できる情報提供者となる同居家族から協力を得ることができたアルツハイマー病(Alzheimer's disease;AD)患者97名.【方法】4MQは,担当医が初診時に家族に行う病歴聴取のインタビューのなかで施行し,各項目で障害ありを0点,障害なしを1点とした.4MQ得点と以下の項目との関係をSpearmanの順位相関係数で検討した:① 患者属性として性別,初診時年齢,教育年数,② 認知機能障害および認知症の全般重症度に関する指標としてMini-Mental State Examination(MMSE)得点,Alzheimer's Disease Assessment Scale(ADAS)減点,Clinical Dementia Rating(CDR)における全般重症度など,③ 近時記憶課題の成績としてMMSEの3単語再生課題の3-2-1法得点,ADASの単語再生課題における再生単語数,④ 日常生活上の近時記憶障害の指標としてCDRの下位項目である記憶障害の重症度,Everyday Memory Task for Memory Clinic(EMT-MC)得点.【結果】4MQと患者属性との間に有意な相関はみられなかった.一方,認知機能障害および認知症の全般重症度に関する指標,近時記憶課題の成績とともに,日常記憶障害の指標であるCDRの記憶障害の重症度およびEMT-MC得点との間にも有意な相関がみられた.【結語】4MQはAD患者の日常記憶障害の尺度としての構成概念妥当性を有していることが示された.
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