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特集 地域社会におけるリハビリテーション
地域介入による介護予防効果検証―武豊プロジェクト
Evaluation of the effect of community-based care prevention:Taketoyo project.
竹田 徳則
1
Tokunori Takeda
1
1星城大学リハビリテーション学部
1Faculty of Rehabilitation, Seijoh University
キーワード:
介護予防
,
ポピュレーション戦略
,
憩いのサロン事業
,
介入効果
Keyword:
介護予防
,
ポピュレーション戦略
,
憩いのサロン事業
,
介入効果
pp.623-629
発行日 2014年7月10日
Published Date 2014/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552110553
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はじめに
健康寿命の延伸と要介護者の減少に向けた取り組みは日本のみならず世界的な課題である.
わが国では,2000年度の介護保険制度導入以降,要支援・要介護者は増加の一途をたどっている.厚生労働省は,2006年度に要介護状態の重度化や進行防止のみならず,健康づくりを意図した介護予防重視の施策を打ち出し各種事業が推進されている.介護予防の考え方の1つが「機能訓練等の高齢者本人へのアプローチだけではなく,生活環境の調整や,地域のなかに生きがい・役割をもって生活できるような居場所と出番づくり等,高齢者本人を取り巻く環境へのアプローチ」である1).
したがって,運動機能の低下や低栄養などで要支援・要介護状態となる可能性のある高齢者を対象としたハイリスク戦略(二次予防事業)と,地域住民全体を対象として健康づくりに向けた行動の変容や社会参加を促進するポピュレーション戦略(一次予防事業)を併用した介入が不可欠である.理学療法士(PT)や作業療法士(OT)は,ハイリスク者を対象とした介入には馴染みがある.しかしながら,ポピュレーション戦略による地域介入とその効果に関する検証を試みているセラピストは少ないのが現状である.
本稿では,愛知県知多郡武豊町(以下,武豊町)で取り組んでいるポピュレーション戦略による介護予防を目標にした武豊プロジェクト2)について,その概要,「憩いのサロン」(以下,サロン)事業の経緯,OTの関与,これまでの横断および縦断分析結果に基づく介護予防効果と今後の課題を紹介する.
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