Sweet Spot 文学に見るリハビリテーション
柳田國男の『山の人生』―鬼の子の里にも産れし事
高橋 正雄
1
1筑波大学障害科学系
pp.592
発行日 2013年6月10日
Published Date 2013/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552110157
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大正15年に発表された柳田國男の『山の人生』(筑摩書房)の「鬼の子の里にも産れし事」という章では,かつてわが国では出生時に異常が認められた子どもが殺害されていたという風習に関する考察が展開されている.
この章の冒頭で柳田は,江戸時代の初期に書かれた『徒然慰草』には「日本はおろかなる風俗ありて,歯の生えたる子を生みて,鬼の子と謂いて殺しぬ」という記述があることを紹介する.わが国では,出生時に歯が生えているような子どもは鬼の子と見なされて殺されていたというのである.
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