琉球弧から・8
鬼手仏心
天願 勇
1
1予防医
pp.743
発行日 2001年8月1日
Published Date 2001/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541903357
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骨太の医療構造改革
参議院選挙が終わり,小泉純一郎政権の下で構造改革の大きな柱の一つ「医療改革」が行われる.国内総生産(GDP)が落ち込み,実質経済成長率も低迷するなか,政府は各分野に「痛みを伴う改革」を呼びかけている.経済財政諮問会議が打ち出した主な改革メニューは,年金・医療・介護の3本柱のバランスを取るため,医療費を抑制し,医療制度を改革することである.改革の方針は①供給体制の効率化,②サービスの標準化と質の向上,③根拠に基づく医療(EBM)情報の提供,④病院の機能評価と機能分化,⑤病院経営の近代化,を中心に検討される.
「患者本位」の医療を実現するための具体策は,インフォームドコンセントの制度化,医療機関に関する情報開示,医療情報のデータベース化・ネットワーク化による国民への情報提供の拡充,医療関係者相互の評価・チェック体制の充実による適正な診療の確保,医療機関の広告規制の緩和などである.
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