Sweet Spot 文学に見るリハビリテーション
速水御舟の『絵画の真生命』―片足切断の画家
高橋 正雄
1
1筑波大学人間系
pp.290
発行日 2013年3月10日
Published Date 2013/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552110062
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速水御舟(1894~1935)は,大正8年,25歳の時に電車にはねられて左足を切断し,40歳で亡くなるまで片足・義足の画家として近代日本画史上に残る数々の傑作を発表しているが,御舟が亡くなる前年に書いた『あの頃の話〈京都時代〉』(『絵画の真生命』所収,中央公論美術出版)には,電車事故に遭遇した時の様子が生々しく綴られている.
御舟が,修業先の京都から浅草の実家に帰っていた時のことである.家の向かい側にあるポストに郵便を入れようと,自動車を避けながら道路を横断していた御舟は,後ろから来た路面電車にはねられてしまった.
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