Japanese
English
増大特集 新・リハビリテーション技術
総論―評価・診断・治療・他
治療
経頭蓋磁気刺激による中枢性運動障害の治療
Therapeutic application of transcranial magnetic stimulation for movement disorder in diseases of central nervous system.
出江 紳一
1
Shin-ichi Izumi
1
1東北大学大学院医学系研究科運動障害学講座肢体不自由学分野
1Division of Rehabilitation Medicine for the Physically Disabled, Department of Behavioral Science, Tohoku University Graduate School of Medicine
キーワード:
経頭蓋磁気刺激
,
長期増強
,
長期抑制
,
運動野
,
安全性
Keyword:
経頭蓋磁気刺激
,
長期増強
,
長期抑制
,
運動野
,
安全性
pp.1069-1075
発行日 2002年11月10日
Published Date 2002/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552109905
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
はじめに
経頭蓋磁気刺激(transcranial magnetic stimulation;TMS)は誘導電流により脳を経皮的に興奮させる,いわばelectrodeless electrical stimulationである.一次運動野の刺激による骨格筋の興奮は,運動誘発電位(motor evoked potential;MEP)として記録される.Barkerら1)による最初の報告以来,TMSはその簡便性と“非侵襲性”から,主に運動機能系の基礎的研究と運動障害の診断・評価に広く用いられ,本邦でも2002年度の診療報酬改正で,「中枢神経磁気刺激による誘発電位(一連につき400点)」が新設された.
近年,TMSの治療効果が注目されるようになり,うつ病2),パーキンソン病3),脊髄小脳変性症4),書痙5,6),てんかん7)などへの応用が研究されている.本稿では,主に運動野の促通と抑制という観点から,中枢性運動障害の治療におけるTMSの有効性と課題を述べる.TMSの基礎知識と運動機能評価への応用は文献8,9)を参照していただきたい.
Copyright © 2002, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.