Japanese
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研究と報告
アテンション・キットを用いた健常者の注意機能の評価
Attentional evaluation for the health with the attention kit.
鈴木 孝治
1
,
高橋 正雄
2
,
佐々木 日出男
3
Takaji Suzuki
1
,
Masao Takahashi
2
,
Hideo Sasaki
3
1小田原市立病院リハビリテーション室
2筑波大学心身障害学系
3海上寮療養所
1Department of Rehabilitation, Odawara Municipal Hospital
2Institute of Disability Sciences, University of Tsukuba
3Kaijoryo Hospital
キーワード:
注意
,
健常者
,
反応時間
Keyword:
注意
,
健常者
,
反応時間
pp.829-835
発行日 2002年9月10日
Published Date 2002/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552109853
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はじめに
脳血管障害や頭部外傷などの脳損傷患者の認知的なリハビリテーションを開始する時期には,軽度の意識障害がみられることが多い.この障害を日常の臨床で簡単に評価する方法は,現在のところ連続7減算や数唱課題などの検査や日常生活上の観察に基づく臨床評定尺度が中心である.しかし,これらの評価方法では,患者の計算能力や日常生活における数字へのなじみの程度が個人によって異なることや,失語症などの言語障害の患者に適応しづらいこと,評価者の主観を拭い去れないことなどの事情により,客観的な評価は困難である.したがって,言語反応や計算能力などを必要とせずに,軽度意識障害を客観的に判定できる指標があれば,効率的なリハビリテーションを展開できると考えられる.
そこでわれわれは,被験者が気楽に取り組め,言語反応や計算能力などを必要としないアテンション・キット1)という仲間外れ探し図版を用いて,軽度意識障害のスクリーニング・テストを試作した.今回は,このアテンション・キットを用いて測定した健常者の注意機能に関して,年代別の得点分布傾向,検査一再検査信頼性および練習効果について検討した.
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