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特集 福祉用具と供給システム
視覚障害のための福祉用具―デジタル録音図書システム「デイジー(DAISY)」
Welfare Equipment for Visually Disabled Persons, DAISY (Digital Audio-Based Information System).
寺島 彰
1
Akira Terashima
1
1国立身体障害者リハビリテーションセンター研究所障害福祉研究部
1Department of Rehabilitation Sociology, Research Institute, National Rehabilitation Center for the Disabled
キーワード:
デジタル録音図書
,
DAISY
,
携帯型読書機
Keyword:
デジタル録音図書
,
DAISY
,
携帯型読書機
pp.807-810
発行日 1999年9月10日
Published Date 1999/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552109047
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はじめに
写真は,デジタル録音図書国際標準規格「デイジー(DAISY)」に準拠した携帯型読書機「プレクストーク」の概観である(図).この装置は,次のような特徴をもっている.
①CDに録音しており,1枚に最大53時間の朗読が可能で,ほとんどの録音図書がCD1枚に収まってしまう.取り扱い,持ち運び,保管,郵送等に便利である.
②読みたいところがすぐに読める.
③飛ばし読みができる.
④ページ単位でジャンプできる.
⑤しおりを付けられる.
⑥スピード可変機能により速読ができる.
⑦デジタル録音のため高音質である.
⑧世界中の録音システムとの互換性がある.
この読書機は,プレクスター(株)という日本の企業が昨年10月に世界で同時発売したものであり,「デイジー(DAISY)」というデジタル録音図書世界標準規格に準拠して製作されている.DAISYは,Digital Audio-Based Information Systemの略である.この規格の決定に際してはわが国が重要な役割を果たしており,昨年,天皇・皇后両陛下が英国を訪問されたおりに,ブレア首相主催の晩餐会において話題になったり,米国のホワイトハウスから感謝状が来たりというように,わが国の果たした役割が世界中で大きな評価を受けている.
これまで福祉機器の開発がこれほど評価されたことはなかったし,日本が福祉機器の世界標準の決定に中心的役割を果たしたこともあまりなかったので,DAISYは画期的であると考えられる.そこで,このプロジェクトがどのように進められてきたのかについて,その開発の経過を紹介する.
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