巻頭言
大学病院リハビリテーション病床稼働後2年目の現状
渡部 一郎
1
1北海道大学医学部附属病院リハビリテーション科
pp.603
発行日 1999年7月10日
Published Date 1999/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552109004
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当大学医学部附属病院は市中心街の大学キャンパス内にあり,22診療科,923床を有し,北海道の研究面・診療面の中心的な役割を担っている.当院のリハビリテーション科施設は,登別の医学部附属温泉治療施設廃止後,リハビリテーション医学講座(国立大学では2番目)の新設からスタートした.現・真野行生教授就任後,外来・病棟の開設準備を進め,1996年8月の標榜科認可と時期を同じくリハビリテーション科外来診療を開始した.翌1997年度には40床のリハビリテーション科特別病床の稼働,その病棟に近接したリハビリテーション部(1,000m2)以上)の新設・移転により,国立大学では最大規模のリハビリテーション診療施設となった.教授1人,助教授1人,助手3人,医員6人,研修医1人,大学院生2人,研究検査技師1人,病棟看護婦16人,看護助手4人,理学療法士5人,作業療法士4人とスタッフ数も整備されつつある.
現在,病床稼働から約2年経ち,外来は月約2,000人,病棟平均稼働率92%と優良な実績を上げている.入院患者の75%は在宅へ退院しているが,平均在院日数は54日と長い.在院日数は転科の場合,転科元入院日数が合算され,実際のリハビリテーション科入院日数より長いのであるが,医長会などで削減が要求されている.この対策として神経ブロックなどの短期入院で平均在院日数を減じる努力をしているが,後方病院の必要性も高い.
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