脳血管障害 True or False
大脳基底核部の脳出血では保存療法と手術療法で予後に差はない?
棚橋 紀夫
1
1慶應義塾大学神経内科
pp.1095-1096
発行日 1998年11月10日
Published Date 1998/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552108807
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大脳基底核部の脳出血は被殻出血または視床出血を意味し,高血圧性脳出血の60~70%を占める.基底核部出血に対する保存的療法と手術療法の間で予後にどのような差があるかは,以前から議論が多かった.被殻出血の大規模な手術療法と保存療法の予後の比較試験は,1990年に発表された金谷らによる全国調査1),後藤による慶應脳血管障害共同研究2)がある.
これらの研究はいずれもretrospective studyであり,controlled randomized studyではないが,意識障害の程度(神経学的重症度),血腫量,CT分類などにより,同じ程度の症例を手術療法と保存療法で比較検討している.
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