巻頭言
長野パラリンピックにみたこれからの障害者スポーツ
塚越 和巳
1
1埼玉県総合リハビリテーションセンター医療体育科
pp.815
発行日 1998年9月10日
Published Date 1998/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552108743
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4年に一度の冬季パラリンピックが今年長野で開催された.世界32か国から600名近くの選手が参加し,熱戦を繰り広げた.新聞の一面を大きく飾った日本人選手の活躍も記憶に新しい.新聞・テレビを始めマスコミによる報道は,これからスポーツを始めてみようと思っていた多くの障害をもつ人に大きな影響を与えた.長野パラリンピックの公式ホームページのアクセスが1日で100万件を越える日もあったという.一方でチケットの有料化も話題になった.売り切れの案内には多少驚いた.私も苦労してチケットを手に入れた一人であった.
私の勤めるリハビリテーションセンターでは,入所者・入院患者を対象に,体育・スポーツ訓練を実施している.これまでにも多くの人が,社会復帰のために体力を高め,また退所後もスポーツを愛好し続けている.私自身もこれまでさまざまなスポーツとかかわり合いを持ってきた.最近は国内でも障害をもつ人が参加できるスポーツの数が驚くほど増え,それに取り組んでいる姿を見ている.長野へ行く前,冬季スポーツにそれほど大きな期待はしていなかった.しかし,その予想は大きくはずれた.アイススレッジホッケーの試合は,見るスポーツ,見せるスポーツとして十分満足させるものだった.
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