Japanese
English
特集 痴呆のリハビリテーション
在宅ケア
Residential Care for Demented Elder.
三宅 貴夫
1,2
Yoshio Miyake
1,2
1弥栄町国民健康保険病院
2社団法人呆け老人をかかえる家族の会
1Yasaka National Health Insurance Hospital
キーワード:
痴呆性老人
,
在宅ケア
,
介護家族
Keyword:
痴呆性老人
,
在宅ケア
,
介護家族
pp.431-435
発行日 1997年5月10日
Published Date 1997/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552108373
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はじめに
痴呆性老人の多くは,在宅で家族の介護を受けながら生活している.これまで痴呆性老人の在宅ケアは,痴呆性老人のいわゆる「問題行動」への対処の方法や介護家族の負担を軽減することについて論じられることが多かった.そこには在宅で生活している痴呆性老人の生活からのケアの視点は乏しかった.本論では,在宅の痴呆性老人のリハビリテーションという視点から在宅ケアのあり方を述べてみたい.
ところで痴呆性老人の在宅ケアにおけるリハビリテーションとは,「痴呆の状態にありながら心身ともにより安定し,残存能力をより活かすことができる在宅での生活援助」と筆者はとらえる.
このリハビリテーションとは,痴呆の中核症状である知的機能の低下の改善を目指す場合と,痴呆の悪化を防ぐ現状維持を目指す場合とがある.どちらになるかは痴呆の原因疾患,痴呆性老人の身体・精神・生活環境,介護家族の状況,地域で利用できる保健・医療・福祉等の援助などに左右される.本論では,在宅ケアの現状と条件,および在宅ケアを支える社会的援助の現状について述べ,そのなかでリハビリテーションの視点から在宅ケアのあり方を論じたい.なお痴呆性老人への日常生活の直接的なお世話を「介護」,介護も含む生活援助を「ケア」と,筆者はおおよそ使い分ける.
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