学会報告
第42回近畿リハビリテーション医懇話会―1996年4月27日(土),於:大阪市薬業年金会館
梶浦 一郎
1
1ボバース記念病院
pp.391-392
発行日 1997年4月10日
Published Date 1997/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552108363
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今回は約300名の参加者を得て開催された.日本リハビリテーション医学会認定臨床生涯教育研修会との共催のもと,大阪大学整形外科(現・三重大学整形外科)内田淳正先生には「悪性骨軟部腫瘍の機能温存術とリハビリテーション」と題し,兵庫医科大学整形外科圓尾宗司先生には「腰痛に対するリハビリテーション」,埼玉医科大学リハビリテーション科近藤徹先生には「分娩麻痺にみられる交叉神経支配への対応および機能再建」と,それぞれの演題の講演があった.3名の諸先生は,それぞれ長年の臨床と研究に基づいた内容の濃い立派な講演であり,それに対し,フロアからも熱心な質問があり,有意義な会であった.悪性骨腫瘍といえば即切断という時代から,患者のQOLを考え,温存しても生存率には変わりがないとのお話に,機能の再建が今後の問題との結論だった.腰痛に対しては,腹・背筋の強化とよく言われるが,かえって悪化しないかとの質問に,実験的,臨床的に有効だとの答えがあった.分娩麻痺では,感覚の問題に質問が出され,運動麻痺より感覚障害は比較的軽いが考慮が必要との答えがあった.
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