学会報告
第39回近畿リハビリテーション医懇話会―1995年10月7日(土),於:大阪薬業年金会館
上好 昭孝
1
1和歌山県立医科大学整形外科
pp.875-876
発行日 1996年9月10日
Published Date 1996/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552108198
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1995年1月17日に発生した阪神淡路大震災のもたらした傷跡はあまりにも大きく,いまだ被災者,関係各位の努力にもかかわらず復興が思わしく進んでいない.戦後50年,比較的平和にどっぷりとつかっていたため,天災に対する行政,医療の連携の悪さが露呈したと思うのは小生一人ではないと思っている.本来なんらかの慢性疾患をもっていた人たちが避難所生活をしいられたとき,予期以上に多方面での問題が起こることがいたるところで経験される.そのため本会でもこの問題について研修することも必要と考え,実際現地におられ,リハビリテーションスタッフとして活躍された神戸大学整形外科水野耕作教授に「阪神淡路大震災巡回リハビリテーション活動について」を講演していただいた.
最初に,対麻痺の患者は入院中に比較的訓練を受け,松葉杖に下肢装具を装着することで起立歩行が可能となるが,退院後車椅子利用に変わってしまうものが多いのが現実であるため,神奈川県総合リハビリテーションセンターの大橋正洋先生に「対麻痺の歩行について」豊富な臨床経験をもとにお話ししていただいた.松葉杖歩行に慣れる前に訓練を行っていないものが多いような成績であった.
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