Japanese
English
特集 脳卒中片麻痺の上肢
麻痺側上肢の運動障害―電気生理学的研究を中心に
Movement Disorders in Hemiplegic Upper Extremity: A Review of Electrophysiological Studies.
道免 和久
1
,
千野 直一
2
Kazuhisa Domen
1
,
Naoichi Chino
2
1埼玉県総合リハビリテーションセンター
2慶応義塾大学医学部リハビリテーション科
1Department of Rehabilitation Medicine, Saitama Prefecture General Rehabilitation Center
2Department of Rehabilitation Medicine, School of Medicine, Keio University
キーワード:
運動制御
,
運動障害
,
電気生理学
,
筋電図
,
片麻痺
,
脳卒中
Keyword:
運動制御
,
運動障害
,
電気生理学
,
筋電図
,
片麻痺
,
脳卒中
pp.1009-1017
発行日 1994年12月10日
Published Date 1994/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552107747
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はじめに
随意運動のメカニズムの解明は,従来,生理学や実験心理学の分野の研究によって進められてきた.しかし,近年の医用工学の進歩により,とくに電気生理学的研究は著しい発展を遂げている.さらに,ニューラルネットなどを利用した工学系からのアプローチは,随意運動の軌道の解析を通して,その背後にある脳の計算理論を明らかにするところにまで近づこうとしている.
運動障害を理解するという点でリハビリテーションの分野でも,正常の随意運動のメカニズムの解明が重要な課題であることはいうまでもない.しかし,筋電図計測という有力な手段がありながら,それを詳細に解析することによって脳卒中をはじめとする運動障害の評価等に利用するといった研究はまだ少ない.
そこで本論文では,前半で筋電図あるいは運動軌道の解析から正常の随意運動を解明しようとする諸研究を紹介し,後半で脳卒中による麻痺側上肢の運動障害に関する研究動向とその問題点などについて解説する.
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