Japanese
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特集 重度障害者のリハビリテーション
医学的リハビリテーション
リハビリテーション目標の設定と機能訓練
臓器移植後隔離患者
Rehabilitation for the Isolated Patient after Transplantation.
石田 暉
1
Akira Ishida
1
1東海大学大磯病院リハビリテーション科
1Department of Rehabilitation Medicine, Tokai University Oiso Hospital
キーワード:
臓器移植
,
リハビリテーション
,
廃用
Keyword:
臓器移植
,
リハビリテーション
,
廃用
pp.912-916
発行日 1994年11月10日
Published Date 1994/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552107725
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はじめに
移植医学の進歩とともに異種移植を含めさまざまな臓器に移植が試みられ,そのうちいくつかは実用段階に入っている.わが国は倫理的な問題から移植対象が制限されているが,欧米に匹敵する技術を保持していると考えられ,制限の緩和が行われれば,遠からず広範囲に,かつより多くの臓器移植が行われることになろう.
臓器移植はそれぞれの臓器の機能が末期的機能不全に陥ったときに行われる救命的で,かつ有効な治療法と考えられる.従来の実験的治療段階では救命が優先され,また長期生存者が少なかった時期ではADLの自立やQOLの向上などのリハビリテーションに関する項目は問題にされなかった.しかし,移植技術の進歩,とりわけサイクロスポリンなどの免疫抑制剤の導入はこの状況を一変させ,成功率の著しい上昇とともに長期生存者が社会復帰する例が多くなり,あらためて臓器移植後のリハビリテーションを考え直す必要が出てきた.
臓器移植後のリハビリテーションの究極の目的はQOLの向上であり,それには社会復帰の内容が重要な要素となるが,本稿ではQOLの内容に影響を与える臓器移植前後の隔離に伴う身体的あるいは精神的な機能・能力障害に対するリハビリテーション・アプローチについて述べる.
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