アジア地域における義足の現況

Current State of Prosthesis in Asia.

はじめに

　国立身体障害者リハビリテーションセンターでは昭和56年（1981年）から東南アジアの義肢装具製作技術者の研修を国際協力事業団から委託を受け，毎年実施している．今回は招聘された研修終了生との情報交換と，その他の関係で来日したリハビリテーション関連指導者からの情報，それに自身が直接訪問した結果を加え整理を試みた．

　また各国とも首都またはそれに準じる一・二の地域の情報に基づいているため正確には北京では，上海においてはなどと付記すべきかも知れないが便宜上国名で表わした．

　対象として情報を収集し得たのは，中国，タイ，フィリッピン，マレーシア，インドネシア，台湾の6カ国で，ビルマについては判り得た部分についてのみ報告する．

　シンガポール，香港については日本とほぼ同じ水準と考えられるので除外した．

　インドについては不明，パキスタンについては情報が古い点もあるので割愛した．

　表にした情報は＊印以外は1986年9月現在の資料に依る．