シンポジウム 義手・義足
義足
佐久間 穣爾
1,2
1東京病院リハビリテーション学院
2東大病院リハビリテーションセンター
pp.913-922
発行日 1966年12月25日
Published Date 1966/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408903844
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はじめに
人間の歴史と共に古い義足も初めは切断者が自分でつくるより仕方がなかつた.中世になつても木の棒足の程度だつたようである.16世紀のフランス外科医Poréは今日の義肢製作者にあたる錠前師と協力し現代義足の原型をくりだしたといわれている.第一次大戦でドイツを中心に発達した義肢の学問は第二次大戦後の米国で国的努力のもとにさらに理論と実際の両面で飛躍的な進歩をとげた.
切断者を扱う医師は義足そのものについての知識はもちろんのこと,処方から検定(Checkout)さらにその先まで責任が及ぶことを認識せねばならない.検定は個々の患者につき,ときには互いに相反する快適さと機能と外観とを総合的に考えてなす判断の過程であるがとかく軽視されてきた傾向があるのは残念である.ここでは主に具体的な処方例につき構造と特性を中心に述べる.
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