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編集後記
緒方 甫
pp.494
発行日 1990年6月10日
Published Date 1990/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552106295
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本号が読者の皆様のお手もとに届く頃は第27回日本リハビリテーション医学会学術集会の開催も間近に迫り,演題発表その他の準備に追われている方々も多いことと推察されます.そしてまた,皆様をお迎えし,お世話させていただく私どもも今まさに開催準備の最終段階を迎えています.参加される方々にとって実り多い学術集会にするために,最大限の努力を払う所存でおります.皆様の温かいご支援を心からお願い申し上げます.
今月の特集は「老人の脊髄損傷」です.高齢化時代の到来とともに,脊椎ならびにその支持機構の弱化などの要因により,高年齢層の受傷者の頻度も高くなる傾向にあるようです.そして,その臨床像も青壮年者のものとは質的にも異なっています.大谷先生にはその臨床像とその特性について論述していただきましたが,不全麻痺例が多いにもかかわらず,麻痺の予後やADLの能力の回復は不良であると指摘されているように,今後の医学的,社会的問題も山積しています.医学的問題点を水落先生らに,リハビリテーション・プログラムについては大隈君らに経験を交え担当していただきました.さらに加齢に伴う重複障害については吉村先生らに論述していただいたように,今後は一般の成人病の予防がますます重要な課題となってくると考えられます.これに伴い,長谷川先生らが指摘されているように,介護者を獲得しなければ高齢障害者の在宅生活は成り立たないと思います.いずれの論文もリハビリテーションに従事する方々には参考となる力作で,ご執筆の先生方に厚く御礼申し上げます.
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