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編集後記
緒方 甫
pp.922
発行日 1984年11月10日
Published Date 1984/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552105290
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本月号の特集はリハビリテーション領域における体力である.これに関しては,今後に残された重要な課題として,多くの識者により指摘され,その研究も着実に発展しつつあることは喜ばしい限りである.
しかし,体力といっても,漠然としていて,体力とは何かという疑問があるという声も聞かれる.その解説を澤田教授にお願いした.分り易く,全般的に論じて頂き,厚く御礼申し上げる.宮原氏にはリハビリテーション領域で最も多い対象となっている片麻痺に関してのものを.木村教授には関節リウマチについて論じて頂いた.整形外科領域でのこの方面の研究はほとんどない.その他の研究内容も,多岐にわたるが,その主流が関節の障害など局所に偏った傾向があるようだが,視野の広い全人間的な観点から検討を加えられたもので興味深く読ませて頂いた.松家氏からは,筋ジストロフィーに関しての永年にわたる臨床経験,研究成果の蓄積より論じられた力作を頂いた.しかし,社会復帰している各種の障害者の体力についても企画したが適当な執筆者がみつからず残念ながら断念せざるをえなかった.後日,本誌でも,これに関連した事項について,とり上げたいテーマの一つである.いずれにせよ,体力という問題はリハビリテーション医学領域でも,科学性をさらにつけ,臨床に活用さるべきものであると考えられる.
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