Japanese
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特集 肢体不自由児の最近の動向
肢体不自由児の疫学
The Epidemiology of Physically Handicapped Children in Japan.
児玉 和夫
1,2
Kazuo Kodama
1,2
1心身障害児総合医療療育センター
2むらさき愛育園
1The National Rehabilitation Center for Disabled Children
2The Institute for Severely Handicapped (MurasakiAiikuen)
キーワード:
肢体不自由児の疫学
,
身体障害児の実態
Keyword:
肢体不自由児の疫学
,
身体障害児の実態
pp.5-12
発行日 1990年1月10日
Published Date 1990/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552106192
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はじめに
現在わが国では,リハビリテーションの対象となる肢体不自由児がどれくらい存在するのか,あるいは毎年発生してきているのか,それが本稿に与えられた課題である.しかし,厳密に考えていくとこの課題に応えるのは容易なことではない.例えば,内反足や先天性股関節脱臼の多くは,かつては肢体不自由児であったかもしれないが,今日では小児整形外科疾患ではあっても,必ずしも障害児ではないし,専門のリハビリテーションの対象とはいえないかもしれない.ペルテス病などは,最近ではかなりの施設で,入園治療や専門リハビリテーションを必要としない,という方針をとっているのに対し,まだいくつかの肢体不自由児施設では年余にわたって施設生活を送らせている.このように,時代によって,地域によって肢体不自由児の把えかたは大きく変わってくるので,厳密なデータをもって論ずるのは困難である.したがって,本稿ではまず厚生省の実態調査,次いで全国の肢体不自由児施設に入園している児の経年変化を分析し,その中で重要な疾患について論じていくことにした.
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