特集 リハビリテーション医療の問題点
セラピスト不足に悩む
長谷川 寿美玲
1
1岡山旭東病院リハビリテーション科
pp.617
発行日 1988年8月10日
Published Date 1988/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552105893
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リハビリテーション医療は他科の医療と違う点として,医師と看護婦だけではできないことが挙げられる.診察をして,必要な検査を行ない診断をする.薬を処方し,患者に注意事項を説明するだけではリハビリテーションは進まない.薬も必要だが,それよりもセラピストが必要である.理学療法士,作業療法士,言語療法士といったセラピスト抜きではリハビリテーションの使命は果たせない.リハビリテーションはチーム医療として行なわれる.チームワークとそれぞれの持つ技術とが発揮されてこそ良い医療ができる.
私自身の経験として,川崎医科大学リハビリテーション科に在籍していた頃は,PT,OT,STのそろったチーム医療は当り前のことであり何ら問題となるものではなかった.しかし,昭和61年3月に川崎医大を退職して以来,セラピストがいないことが最大の問題となった.昭和61年4月より1年間,広島県の過疎地での医療に従事した.看護婦とマッサージ士とがいるだけで,理学療法といっても,物理療法や術後のROM訓練と歩行訓練が主体で,急性期の脳血管障害患者はリハビリ訓練の可能な病院へ紹介するしかなかった.
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