巻頭言
障害者に対する総合医療
花籠 良一
1
1東京都立北療育医療センター
pp.343
発行日 1988年5月10日
Published Date 1988/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552105817
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書きだしてから総合リハビリテーションの巻頭言として,テーマも障害者に対する総合医療で,総合の用語が一致した事に気付いた.
在職する当センターは障害児ならびに障害者のために療育(障害児)と普通の医療機関では対応困難な総合的医療を行う施設として昭和60年度に開設された.私の任務についての手がかりは上記を記入した一節だけである.国内外ともに全く同様な施設は多分存在しない.私に転任を命じた都庁高官責任者も,またそれを推めた極めて御高名な先生も期せずして現職のまま故人となられてしまった.一方招いてくれた直上司も,他科担当で療育一流の専門家で,私に対して具体的に業務上の注文は下さらなかった.自分は内科医出身の神経内科医であり,リハビリ専門医でもあるために起用された事だけは当初に自覚していた.リハビリ医学会の大御所,それから中堅の先生などから,これから何をやるのかと質問も受けたり,また具体的業務をいって励ましてくれた先生もあった.周辺の関連施設から業務上の協定如きも提言されている.公的には当センターの医療部門の任務は都条例によってこれこれ規定されているが,しばらく運営してみて,もっと任務の特性を明確化すると発言しておいた.
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