Japanese
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講座 治療の最近の進歩(2)
高血圧における降圧薬治療の進歩
New Trends in Antihypertensive Treatment.
築山 久一郎
1
,
大塚 啓子
1
,
高崎 泉
1
Hisaichiro Tsukiyama
1
,
Keiko Otsuka
1
,
Izumi Takasaki
1
1神奈川県立成人病センター循環器科
1Department of Cardiovascular Diseases, Kanagwa Medical Center for Adults, Yokoyama.
キーワード:
降圧薬の選択順位
,
服薬のcompliance
Keyword:
降圧薬の選択順位
,
服薬のcompliance
pp.143-148
発行日 1986年2月10日
Published Date 1986/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552105548
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はじめに
高血圧の診断と治療の進歩は目覚ましく,心ECHO図,RI angiocardiography,DSA(Digital Subtraction Angiography)などの非侵襲的または侵襲の少ない検査法が臨床応用され,高血圧の診断が容易になり,核医学の進歩に伴い二次性高血圧の診断に種々の内分泌学的な検討が行われている.
治療面では,新しい降圧薬が開発され,疫学的な成績を背景に治療対象が拡大され,治療方法でも降圧薬の段階的な積み重ね療法(step-up therapy)とともに段階的な減少療法(step-down therapy)が行われている.さらに,最近,高血圧には寛解期があるとされ,軽症高血圧の一部では休薬が可能と報告されている.一方,二次性高血圧,たとえば腎血管性高血圧では腎動脈狭窄に従来の腎動脈再建術などと異なり,経皮的腎動脈形成術(percutaneous transluminal angioplasty)が試みられ,手術適応のない悪性褐色細胞腫に化学療法1)のみならず画像診断に使用される131I-metabenzylguanidineを高濃度で用いると有効と報告2)され,この方面の進歩も著しい.
本稿では,高血圧治療の進歩のうち,最近の降圧薬を含めた高血圧治療指針を述べ,その疫学的な治療成績,服薬のcomplianceと血圧管理を述べ,その改善の対策に言及する.
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