特集 進化し続ける内科診療―世界が認めたブレイクスルー
循環器
高血圧―降圧薬治療の変遷
荻原 俊男
1
1森ノ宮医療大学
pp.46-51
発行日 2013年1月10日
Published Date 2013/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402106605
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高血圧治療とは
高血圧の診断は二次性高血圧の鑑別,関連諸臓器合併症の把握,リスク因子の有無のチェックなどによる重症度の決定からなる.高血圧治療の目的は厳格な降圧あるいは適切な降圧により,心血管系合併症の進展や脳卒中,心筋梗塞など心血管イベント(事故)のリスクを抑制し,生活の質(QOL)を保った健康長寿を目指すことである.最近では人口の高齢化により,高齢者の認知症や,寝たきりを予防することが大きな課題となっており,高血圧の治療,予防はこの点においても有効なことが証明されている.
高血圧の成因,病態の解明についてはレニンの発見が100年程前であることから,その歴史は100年以上あるが,成因・病態研究は降圧薬の出現により大きく進展し,降圧薬の発見は高血圧の理解を深め,さらに新たな降圧薬の開発の基となった.特に利尿薬,Ca拮抗薬,レニン-アンジオテンシン(R-A)系阻害薬の出現は高血圧治療を大きく変えた.
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