特集 四肢麻痺
四肢麻痺の特集にあたって
緒方 甫
1
1産業医科大学リハビリテーション医学教室
pp.489
発行日 1985年7月10日
Published Date 1985/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552105408
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過日の編集会議にて,四肢麻痺をテーマに採用することになった.頸髄損傷ならびに,これに関連する事項については,本誌では頻回にわたり採り上げられている.これは,リハビリテーション医学の対象としても数が多く,3つのレベルの障害の観点からみても,すべての領域にわたり多くの問題を内蔵しているために他ならない.今回,改めて四肢麻痺を採り上げるにあたり,いかなる点に着目した特集号とするかを苦慮した.
四肢麻痺は,同じ脊髄に障害を受けて発症する対麻痺とは趣きを異にし,対麻痺にプラスして両上肢に麻痺が加わったという単純な障害ではなく,量的な面のみではなく,質的にも異なった考え方にて接しなければならない.これは医学的な問題のみでなく,社会的にも大きなものが含有されている.医療施設の中には,医療の場ではなく,福祉の場に代行されている感すらするものも少なくない.
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