書評
―訳 坂本龍生(神戸大学) 竹田契一(大阪教育大学)―障害児の食事・言語援助の技法
才藤 栄一
1
1慶大月が瀬リハビリテーションセンター
pp.767
発行日 1984年10月10日
Published Date 1984/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552105259
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原題はEating Handicapsであり,中枢神経系に障害を持つ小児における“食べる”という行為での問題点とその訓練テクニックについて書かれた本である.訳の題名は,食事訓練→言語訓練という段階を意識して付けられたものであろうが,本の中で言語訓練については触れられていない.
中枢神経系に障害を持つ人,特に重篤な人では小児に限らず,食事が問題となる事がしばしばである.このような人々にとって食事は大きな欲求が苦痛に変わったというだけでなく,摂取量低下による栄養不良,誤嚥による肺炎といった危険を伴う.しかしながら,リハビリ医学の中でその対策が十分に確立され,普及しているとは言い難い現状である.例えば,有名なKrusen's Handbook of P. M. R. の第三版でもEating disorderについては触れられていない.この様な状況において具体的にそのアプローチについて書かれているこの本は,価値ある一冊と思われる.
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