一頁講座 人工関節・6
人工股関節(2)
室田 景久
1
1慈恵医大整形外科
pp.485
発行日 1984年6月10日
Published Date 1984/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552105190
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人工股関節は,激しい痛みや不良肢位強直などのために機能を失った股関節を再建する手段として,ようやく達成された人類の夢である.最近では,所期の目的である除痛を確実に達成することのできる完全な方法として全世界に普及し,手術件数は年間実に30万例にも達するとされている.
人工股関節ははじめ,1938年ロンドンのWilesによってスチール製の臼蓋と骨頭をプレートとスクリューで固定する型のものが開発され,その後1953年McKeeとFarrarらが金属製の人工臼蓋と人工骨頭の組み合せのものを骨セメントで固定する型を,さらに1963年にはCharnleyがプラスチック臼蓋と金属製の人工骨頭の組み合せのものを同様に骨セメントで固定する型のものを発表,以来世界各国でいろいろな種類のものが盛に開発され,臨床に応用されるようになってきている.しかし,最近ではようやく種々の型のものが淘汰されて,Charnley型やCharnley-Muller型に類するものが主として用いられる傾向となっている.
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