Japanese
English
講座 リハビリテーション医のための人類遺伝学―遺伝性骨・軟部系統疾患―
2.骨および結合組織の全身性遺伝性疾患
Inherited Disorders of Bone and Connective Tissue.
眞角 昭吾
1
Shogo Masumi
1
1大分医科大学整形外科
1Department of Orthopedic Surgery, Medical College of Oita.
キーワード:
骨・結合組織
,
全身性疾患
,
遺伝性
Keyword:
骨・結合組織
,
全身性疾患
,
遺伝性
pp.151-158
発行日 1984年2月10日
Published Date 1984/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552105117
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はじめに
骨・軟骨を含めて結合組織が全身的に侵される遺伝性疾患には多くのものがあるが,個々の疾患は比較的めずらしいものが多い.結合組織は全身いたるところに分布しているので患者は全身性の多彩な症状を呈するのが特徴である.すなわち結合組織の特殊な分化型である骨,軟骨をはじめ,関節包,靱帯,皮膚,眼,心血管系などにいろいろな症状を現わしてくる.
骨格異常だけをとりあげても,これら患者は身長や均衡性の異常,脊柱の後彎・側彎,胸郭変形,関節拘縮,関節の弛緩や不安定性,四肢彎曲,骨の強度の問題,早期におこる関節症など複雑な問題をかかえている.
そこで疾患の遺伝型式を知ることは診断上重要であるばかりでなく,家族や患者に遺伝的アドバイスや予後の相談を行う上で大切である.また根治的治療法がない今日,整形外科的ケアーや生活指導という点から,疾患の自然経過をよく知っておく必要がある.主な疾患の遺伝型式を表示する(表1).
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