一頁講座 スプリント・12
手の外科後のスプリント
山内 裕雄
1
1順天堂大学医学部整形外科
pp.1007
発行日 1983年12月10日
Published Date 1983/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552105085
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この講座では今まで主として麻痺などの,いわば失われた機能を代償するためのスプリントについて述べられて来た.機能の回復が期待出来ない場合には,スプリントは永続なものとなり,重量・外観・使いよさなどかなりシビアーな条件が課され,これらが満足のゆくものでないと,患者の受け入れはよくないし,事実,入院・入所中は「医者の顔を立てて」つけてくれてはいても,自宅に帰るとどこかにしまい込まれてしまっていることも決して少くない.
これに反し,手の外科で処方するスプリントの多くは,患者にとっては,一時的なもので,よくなれば不要となるという期待があるため,比較的よく用いてくれるし,事実その治療効果にも優れたものがある.手の外科後のスプリントという題をいただいたが,手術後のもののみでなく,手の外科で用いている,いわゆる治療用スプリントについて,私の経験からその特色と,よく用いているもの2,3を述べてみよう.
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