--------------------
編集後記
上田 敏
pp.772
発行日 1983年9月10日
Published Date 1983/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552105037
- フリーアクセス
- 文献概要
- 1ページ目
一時は冷害も心配された今年の夏であったが,7月の半ばからは急に暑くなり,東京ではこのところ真夏日・熱帯夜の連続である.前号にひきつづいて「高次脳機能障害」の特集(その2)をお届けする.
日本語は世界にも珍らしい表音と表意の二重の文字体系を有しているため,失語症その他の,言語に関連する障害の際に非常に特徴的な障害像を呈することが世界的にも注目されている.それが「漢字・仮名問題」であるが,大東氏には失読と失書の問題をこの角度を中心に詳しく論じていただいた.氏の結論ともいうべき「結局の所,漢字・仮名問題とは,失読や失書に関するより普遍的な本態に迫るための1つの契機として我々に与えられた課題の1つではないか」という言葉は味読すべきものである.
Copyright © 1983, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.