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編集後記
上田 敏
pp.163
発行日 1986年2月10日
Published Date 1986/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552105552
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寒さのますますきびしくなる折から,時には医師・医学生の教育の問題を考えてみていただこうとリハビリテーション医学教育の特集をお送りする.医学的リハビリテーションの分野では,リハビリテーション一般の場合と同様に「物より人」であり,質の高い専門家がもっとも重要なことはいうまでもないが,それに関する情勢も急速に変りつつある.一時は日本の医学的リハビリテーションの発展を妨げる最大の問題は理学療法士,作業療法士の不足であるというのがほとんど「きまり文句」のようにいわれていたが,国・公立短大や養成校の増設により,今や近い将来の供給過剰の可能性まで公然と語られるようにまでなっている.少なくとも量の問題から質の問題に重点が移りつつあるのが現状である.それにくらべて,相対的に立ち遅れが目立ってきたのがリハビリテーションに専従する医師の養成であり,また一般の医師全体へのリハビリテーションの知識の普及の遅れである.前者は卒後教育(研修)の問題であり,後者は卒前教育の問題でもあり,また継続教育(生涯教育)の問題でもある.
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