書評
―Geraldine K. Carini Jacqueline Joseph Birmingham(共著) 大井淑雄(自治医大)監修―ベッドサイドの牽引療法
浅山 滉
1
1産業医大リハ医学
pp.1098
発行日 1982年12月10日
Published Date 1982/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552104870
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このたび国立療養所東京病院のリハビリテーション学院,伊藤直榮,島田孝の両氏の努力で,Traction Made Manageable(自己学習方式によるベッドサイドの牽引療法)の訳本が,協同医書出版社から発行された.自治医大の大井淑雄氏が監修しておられる.著者は米国Connecticut州のHartford病院の整形外科病棟で牽引療法のNursing Careに多年の経験を有していると思われるG.K. CariniとJ.J. Birminghamの共著である.普通の整形外科病棟で行われている代表的な10数項目の牽引方法をとりあげ,その各々の解説とまとめの試験問題や解答がのっていて,わずか130頁のハンディな書物であり,大きな図と活字,広いスペースのために読んでみたくなる.実際の病棟でもこれだけ知っておれば殆んど間に合ってしまう.
牽引療法は整形外科的治療の基本をなすものであり,急性期の緊急的処置から,慢性症の骨盤牽引まで幅広い治療手段を有し,それだけに,牽引療法中のケアは解剖生理学的基礎と,牽引の力学的知識が必要となる.この書は,これらの知識を前提として記されているが,第一章から,牽引の一般的管理上の注意が一応書かれている.
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