増刊号 日本の病院建築
大学附属病院の建築
自治医大大宮医療センターを運用して
金澤 康徳
1
,
前田 羊三
2
Yasunori KANAZAWA
1
,
Yozo MAEDA
2
1自治医科大学附属大宮医療センター
2自治医科大学附属大宮医療センター事務部
pp.140
発行日 1991年11月20日
Published Date 1991/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541901090
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自治医科大学附属大宮医療センターにはいくつかの特徴がある.組織上では,従来の臓器別の医療の欠点に対する反省から生まれた総合医学講座1,2の設置であり,大学病院としての,教育・研究・診療の3本の柱を持ちつつ地域に対する高度医療の提供を期待されている.また卒業生が大学に残らないという自治医大の特徴から卒後一定期間を経過してからの修練や研究の場を用意することも必要でああり,きわめて複雑な機能を負わされている.その上,院内の全施設をコンピュータネットワークで結びつけるコンピュータのトータルシステムを導入したことより,未来型病院としての試行をすることも必要になり,病院勤務者にとっては従来経験した病院と異なった新しい分野の開拓という任務が与えられている.
全体として統一された思想でつくられており,各々の機能がまとめられているため,外来では患者の受診,またそれに対応する職員の動きについても考えられており,良い機能が発現されるように工夫されている.各々の機能をまとめてしまったための動線の長さは,キャリーワゴンと自走台車によってカバーされ,人力によらなくてもよいはずであったが,現実には走りまわる必要があることがしばしばである.
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